省力化投資補助金とは?カタログ注文型・一般型の上限額・補助率・審査ポイントを解説

中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型と一般型(第9回)の違い、従業員数別の補助上限額・補助率、申請要件、スケジュール、審査で見られるポイント、失敗しやすい点を、日本補助金協会が公募要領をもとに解説します。

最終更新:2026年11月6日|一般型 第9回公募要領(2026年11月版)・カタログ注文型 公募要領(2026年10月20日改訂)に基づく|執筆:日本補助金協会 編集部

省力化投資補助金の要点

カタログ注文型 随時受付中 一般型 第9回 公募中

  • 正式名称:中小企業省力化投資補助金(中小企業省力化投資補助事業)
  • 目的:人手不足に悩む中小企業等の、IoT・ロボットなどを使った省力化投資を支援し、生産性向上と賃上げにつなげる
  • 2つの型:カタログから製品を選ぶ「カタログ注文型」(最大1,500万円)と、現場に合わせた設備を入れる「一般型」(最大1億円)
  • 補助率:カタログ注文型 1/2以下、一般型 1/2または2/3
  • スケジュール:カタログ注文型は2027年3月末頃まで随時受付。一般型 第9回は12月上旬に申請受付開始、12月下旬締切(予定)

公式サイト 製品カタログ 一般型 公募要領(PDF)

省力化投資補助金とは?

人手不足に悩む中小企業等が、IoT・ロボットなどを使って業務を省力化するための投資を支援する、国の補助金です(実施機関:中小企業基盤整備機構)。売上の拡大や生産性の向上を通じて、賃上げにつなげることが目的です。

次の2つの型から選んで申請します。

型 どんな投資が対象か 申請の仕方
カタログ注文型 事務局のカタログに登録された、省力化効果のある汎用製品(例:券売機、自動精算機、自動チェックイン機、配膳ロボット、清掃ロボットなど)。手軽で効果が早く出る投資向け 製品の販売事業者と一緒に申請。随時受付
一般型 自社の現場や業務に合わせて設計した専用の設備・システム(オーダーメイド設備)。汎用設備を1台入れるだけの事業は対象外 公募回ごとに申請し、審査を経て採択

※製品が自社の業種で使えるかどうかは、製品カタログの「対象業種」で確認してください。対象業種の事業を一部でも営んでいれば申請できます(例:スーパーが店内のレストランに配膳ロボットを入れる場合は、飲食サービス業として申請できる)。

公募要領では、まずカタログ注文型のカタログを確認するよう求めています。カタログにある製品で足りるなら、申請が早く簡単なカタログ注文型が向いています。

補助上限額と補助率は?

カタログ注文型

( )内は、大幅な賃上げをする場合の上限額です。補助率は1/2以下です。製品ごとに補助額の上限がカタログに登録されているため、購入価格がその2倍を超える場合は、補助率が1/2未満になります。

従業員数 補助上限額
5人以下 500万円(750万円)
6〜20人 750万円(1,000万円)
21人以上 1,000万円(1,500万円)

※2026年3月19日の制度改定で、従業員20人以下の上限額が引き上げられました。大幅な賃上げの条件は、申請時と比べて、補助事業実施期間の終了時点までに事業場内最低賃金を3.0%以上、給与支給総額を6.0%以上上げることです(申請時に従業員への表明が必要)。達成できなかった場合は、引き上げ分が減額されます。

一般型(第9回)

( )内は、大幅賃上げ特例を使う場合の上限額です。

従業員数 補助上限額
5人以下 750万円(1,000万円)
6〜20人 1,500万円(2,000万円)
21〜50人 3,000万円(4,000万円)
51〜100人 5,000万円(6,500万円)
101人以上 8,000万円(1億円)
事業者 補助率
中小企業 1/2(最低賃金引き上げ特例を使う場合は2/3)
小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 2/3

※大幅賃上げ特例(1人あたり給与支給総額を年平均6.0%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上)と、最低賃金引き上げ特例(2025年10月〜2026年9月に、地域別最低賃金付近で雇用する従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上)は、併用できません。再生事業者と常勤従業員がいない事業者は、どちらの特例も使えません。

対象になる経費は?

型 対象になる経費 主な注意点
カタログ注文型 製品本体の価格と、導入経費(設置作業・運搬・動作確認など。製品本体価格の2割まで) カタログに登録された製品を、登録された販売事業者から買う場合だけ。製品本体は原則として単価50万円以上
一般型 機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費 単価50万円(税抜)以上の設備を1つ以上入れることが必須。機械装置・システム構築費以外の経費は総額500万円(税抜)まで。さらに技術導入費・知的財産権等関連経費は補助対象経費総額の1/3まで、外注費・専門家経費は1/2まで

中古品、交付決定前に契約・購入したもの、消費税などは、どちらの型も対象外です。一般型では、建物の工事や、事務用のパソコン・タブレット・スマホなども対象外です。

申請要件は?

カタログ注文型

  1. 労働生産性:補助事業が終わってから3年間、年平均3.0%以上上げる計画を作る(2回目以降の申請は4.0%以上。ほかに、前回分の補助金の支払いが済んでいること、事業場内最低賃金を前回申請時から3.5%以上上げていることなどの追加要件あり)
  2. 人手不足であること:直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている、離職・退職で従業員が前年度比5%以上減った、求人を出したが埋まらなかった、のいずれかで示す(「その他」を選ぶと、審査が厳しくなり結果の通知が大幅に遅れることがある)
  3. 最低賃金:全従業員の賃金が最低賃金を超えていること
  4. GビズIDプライムを取得していること

一般型(3〜5年の事業計画で、全部満たす)

  1. 労働生産性:年平均成長率4.0%以上
  2. 1人あたり給与支給総額:年平均成長率3.5%以上 ※未達の場合は返還あり
  3. 事業場内最低賃金:毎年、地域別最低賃金より30円以上高い水準 ※未達の場合は返還あり
  4. 一般事業主行動計画:従業員21人以上の場合は、「両立支援のひろば」で公表(掲載まで2週間程度)

一般型では、このほかに省力化指数の計算、根拠資料をつけた投資回収期間、オーダーメイド設備の導入などが必要です。

スケジュールと締切は?

カタログ注文型 随時受付。2027年3月末頃まで
一般型 第9回 公募開始 2026年11月4日(水)
申請受付開始 2026年12月上旬(予定)
申請締切 2026年12月下旬(予定)※具体的な日時は公式サイトで発表予定
採択発表 2027年3月下旬(調整中)

今すぐ始めたい準備

  • GビズIDプライム:どちらの型でも必要です。取得に時間がかかるので、早めに申請しましょう
  • カタログの確認:使いたい製品が登録されているか、自社の業種が対象か
  • 一般型の場合:設備の選定と、投資回収期間の根拠資料(見積もりなど)の準備

申請から入金までの流れ

カタログ注文型(販売事業者と一緒に申請)

  1. GビズIDプライムを取る
  2. 製品カタログから製品を選ぶ
  3. 製品カタログの「販売事業者検索」で、その製品を扱う販売事業者を選んで連絡する
  4. 販売事業者と一緒に事業計画を作り、共同で申請する(販売事業者から届く招待から申請)
  5. 交付決定(採択と同時)→ 製品の導入(原則12か月以内)
  6. 実績報告 → 補助額の確定 → 補助金の入金
  7. 効果報告(3年間)

一般型

  1. GビズIDプライムを取る
  2. 事業計画書の作成・設備の選定
  3. 応募申請(第9回は12月下旬締切、採択発表は2027年3月下旬の予定)
  4. 採択後、研修動画を視聴し(確認テストあり。視聴しないと採択は無効)、相見積もりを取って発注先を選ぶ
  5. 交付申請(原則、採択発表日から2か月以内)→ 交付決定
  6. 補助事業の実施(交付決定から14か月以内。ただし採択発表日から16か月後まで)
  7. 実績報告 → 補助金の入金(精算払い)
  8. 効果報告(5年間)

補助金は後払いです。設備の代金は、いったん自社で支払う必要があります。

審査で見られるポイント(一般型)

一般型の公募要領に示されている審査項目から、特に押さえておきたい点をまとめました。

  1. 技術面:省力化指数(どれだけ人の作業が減るか)、投資回収期間、付加価値額の伸び、オーダーメイド設備であることの4つの観点で評価されます。
  2. 計画面:実施体制・財務・サイバーセキュリティ対策、スケジュールの妥当性が見られます。
  3. 賃上げ目標の高さと実現可能性:「足下の賃上げ」も評価されます。応募時の直近決算期から基準年度(補助事業を完了した事業年度)までの1人あたり給与支給総額の伸びが物価上昇率を下回る計画は、審査で大幅に不利になると明記されています。足下の賃上げは、採択後・交付決定までに従業員への表明が必要です。
  4. 政策面:地域経済への波及、事業承継、イノベーションなどが評価されます。
  5. 加点項目:事業継続力強化計画の認定、えるぼし・くるみん認定、健康経営優良法人、「省力化ナビ」の活用、生産性向上支援センターの利用、事業場内最低賃金の引き上げなど。
  6. 口頭審査:ソフトウェア投資やシステム開発などの案件を中心に、選ばれた事業者にオンラインで約30分。申請者本人(法人の代表者など)が対応し、同席できるのは申請担当者として登録した役員・従業員1名だけです。コンサルタントや計画の作成支援者の同席は認められません。

カタログ注文型では、省力化の効果が合理的に説明されているか、賃上げに積極的に取り組んでいるかが見られます。

出典:一般型 第9回公募要領「5. 審査」、カタログ注文型 公募要領「4-4」

申請で失敗しやすいポイント

  • 交付決定の前に発注・購入してしまう:どちらの型も、交付決定より前に契約・発注・購入したものは対象外で、「いかなる理由であっても」事前着手は認められません。
  • 他の補助金と重なっている:国の他の補助金と経費が重なる事業は対象外です。カタログ注文型では、デジタル化・AI導入補助金と同じ業務に入れる事業や、ものづくり補助金の交付決定から10か月たっていない事業者なども対象外です。
  • 汎用設備を1台入れるだけで一般型に申請する:一般型は現場に合わせた設備が対象です。カタログの製品をそのまま入れるなら、カタログ注文型を使います。
  • 導入後すぐに手放す:補助金で入れた設備は、決められた期間、売却・転用などに事務局の承認が必要です(カタログ注文型は導入から1年間、譲渡・貸付などが禁止)。
  • 効果報告を出さない:カタログ注文型は3年間、一般型は5年間、毎年の報告が必要です。出さないと交付決定の取消や返還を求められることがあります。

よくある質問

カタログ注文型と一般型は両方使えますか?

同じ経費に両方は使えませんが、別の経費であれば両方使えます。

今使っている機器の買い替えにも使えますか?

カタログ注文型では、省力化の効果が得られない単なる買い替えは対象外です。ただし、製品カテゴリごとに「置き換え対象となる機能・性能」が指定されている場合に限り、その機能・性能を1つ以上新しく備えた製品への置き換えであれば申請できます。指定がないカテゴリ(例:自動チェックイン機)もあるので、製品カタログの各カテゴリの詳細で確認してください。

労働生産性の目標を達成できなかったら、補助金を返すのですか?

達成できなかったことだけで返還になるわけではありません。ただし、製品を使わずに放置するなど、故意・過失がある場合は返還を求められることがあります。一般型の給与・最低賃金の要件は、未達の場合に返還の定めがあります。

カタログ注文型の申請は、どこからするのですか?

事務局サイトに申請の入口はありません。製品の販売事業者に連絡し、販売事業者から届く招待メールから申請マイページを開設して申請します。

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※本ページは、一般型 第9回公募要領(2026年11月版)、カタログ注文型 公募要領(2026年10月20日改訂)と公式サイトの情報をもとに、日本補助金協会 編集部がまとめたものです。申請の際は、必ず最新の公募要領と公式サイトをご確認ください。