ものづくり補助金(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)とは?第2回の上限額・補助率・審査ポイントを解説

ものづくり補助金(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)第2回公募の要点を、日本補助金協会が解説。枠ごとの補助上限額・補助率、申請要件、スケジュール、審査で見られるポイント、失敗しやすい点をまとめました。

最終更新:2026年11月6日|第2回公募要領(2026年11月2日 初版)に基づく|執筆:日本補助金協会 編集部

ものづくり補助金の要点

第2回 公募中 申請締切:2026年12月25日(金)15:00(11月6日時点で残り49日)

  • 正式名称:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
  • 対象:新製品・新サービスの開発、新しい市場への進出、輸出に向けた体制強化に取り組む中小企業等
  • 補助上限額:750万円〜7,000万円(枠と従業員数で変わる。賃上げ特例で最大9,000万円)
  • 補助率:1/2または2/3(枠・事業者の規模・特例で変わる)
  • 申請受付:2026年11月30日(月)15:00から(電子申請のみ)

公式サイト 第2回 公募要領(PDF)

ものづくり補助金とは?

中小企業等が、技術を活かした新製品・新サービスの開発や、これまでとは違う市場への進出、海外への輸出に取り組むときの設備投資などを支援する、国の補助金です。企業の規模拡大や付加価値の向上を通じて、賃上げにつなげることが目的とされています。

次の3つの枠があります。

枠 どんな取組が対象か
革新的新製品・サービス枠 自社の技術力などを活かした、新製品・新サービスの開発。単に機械を入れるだけ、作り方を改善するだけの事業は対象外
新事業進出枠 自社にとって新しい製品等で、新しい顧客層の市場に進出する取組。今の製品の増産や、単なるメニュー追加は対象外
グローバル枠 自社の製品等で、新しい国・地域へ自発的に輸出するための、国内の製造拠点などの強化。取引先主導の事業は対象外

補助上限額と補助率は?

補助上限額は、枠と従業員数で決まります。( )内は、賃上げ特例を受ける場合の上限額です。

従業員数 革新的新製品・サービス枠 新事業進出枠・グローバル枠
1〜5人 750万円(850万円) 2,500万円(3,000万円)
※1〜20人
6〜20人 1,000万円(1,250万円)
21〜50人 1,500万円(2,500万円) 4,000万円(5,000万円)
51人以上 2,500万円(3,500万円) 51〜100人:5,500万円(7,000万円)
101人以上:7,000万円(9,000万円)
補助下限額 100万円 750万円
枠 補助率 補助事業の実施期間
革新的新製品・サービス枠 中小企業者 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)
小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 2/3
交付決定から10か月以内(採択発表から12か月以内)
新事業進出枠 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3) 交付決定から14か月以内(採択発表から16か月以内)
グローバル枠 2/3 交付決定から14か月以内(採択発表から16か月以内)

※地域別最低賃金引上げ特例:2024年10月〜2025年9月の間に、「その時点の地域別最低賃金以上、2025年度改定後の地域別最低賃金未満」で雇っている従業員が全従業員の30%以上という月が3か月以上ある事業者が対象です(申請時に賃金台帳などの提出が必要)。

対象になる経費は?

経費 革新的新製品・サービス枠 新事業進出枠 グローバル枠
機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費 ○ ○ ○
建物費 × ○ ○
海外旅費、通訳・翻訳費 × × ○

※革新的新製品・サービス枠は機械装置・システム構築費が必須です。新事業進出枠とグローバル枠は、機械装置・システム構築費か建物費のどちらかを必ず含める必要があります。また、外注費・専門家経費・技術導入費・広告宣伝費などには経費ごとの上限があります。
対象外となる経費の詳細は、公募要領「1-6-2. 補助対象外となる経費」で確認してください。

申請要件(賃上げ要件など)は?

補助事業が終わった後、3〜5年の事業計画で次の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 付加価値額:年平均成長率4.0%以上の増加
  2. 1人あたり給与支給総額:年平均成長率3.5%以上の増加 ※未達の場合は返還義務あり
  3. 事業場内最低賃金:毎年、地域別最低賃金より30円以上高い水準 ※未達の場合は返還義務あり
  4. 一般事業主行動計画:次世代育成支援対策推進法に基づく計画を作り、「両立支援のひろば」で公表していること
  5. 子育て等に関する職場環境整備に向けた取組(示された3つから1つ)を行うこと。くるみん認定などを受けている場合は免除
  6. 金融機関の確認:金融機関等から資金提供を受ける場合は、事業計画の確認を受けていること

上の上限額の( )を受けられる「賃上げ特例」は、1人あたり給与支給総額の年平均成長率を合計6.0%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上にすることが条件です。補助金の申請額が通常の上限額に届かない場合は使えません。また、革新的新製品・サービス枠で地域別最低賃金引上げ特例を使う場合や、革新的新製品・サービス枠・グローバル枠に申請する再生事業者も使えません。目標に届かなかった場合は、上限の引上げ分の全額を返還する必要があります。

公募スケジュールと締切は?

公募開始 2026年11月2日(月)16:00
申請受付開始 2026年11月30日(月)15:00
申請締切 2026年12月25日(金)15:00
採択発表 2027年3月下旬(予定)

今すぐ始めたい準備

  • GビズIDプライム:発行に1週間程度かかります。取得が遅れても締切は延長されません
  • 一般事業主行動計画の公表:掲載まで1〜2週間程度かかるため、2週間以上の余裕をもって公表申請してください(申請締切の時点で公表されている必要があります)
  • 電子申請の入力:数時間程度かかります。締切間際は申請が集中するので、余裕をもって始めましょう

申請から入金までの流れ

  1. 公募(公募要領の公開)
  2. 電子申請
  3. 採択の通知(補助金交付候補者として採択)
  4. 交付申請(経費の内容が精査され、減額されることもある)
  5. 交付決定
  6. 補助事業の実施(発注・支払いなど)
  7. 実績報告
  8. 確定検査(補助金額の確定)
  9. 補助金の請求
  10. 補助金の入金
  11. 事業化状況等の報告(5年間・計6回)

補助金は後払いです。設備の購入代金などは、いったん自社で支払う必要があります。

交付決定日より前に契約・発注した経費は、補助の対象になりません。設備の発注は、必ず交付決定を受けてから行ってください。また、発注先1件あたりの見積額が50万円(税抜)以上になる場合は、同じ条件で3者以上から見積もりを取る必要があります。

審査で見られるポイント

公募要領に示されている書面審査の項目から、特に押さえておきたい点をまとめました。書面審査のほか、必要に応じてオンラインの口頭審査があります(申請者自身が対応し、外部の支援者は同席できません。予約は先着順です)。

  1. 経営戦略との一貫性:これまでの事業や取組とのつながりがあり、経営戦略の中にはっきり位置付けられているか。事業を転換する場合は、その合理的な理由が示されているか。
  2. 強み・弱みを踏まえた競争力:市場や顧客の動きと、自社のヒト・モノ・カネ・情報の強み・弱みを踏まえて、競争で優位に立てる内容になっているか。
  3. 目標の高さと実現可能性:付加価値額や賃上げの目標が、基準より高く、かつ実現できる計画か。補助事業の完了を待たずに行う「足下の賃上げ」も評価されます。応募申請時の直近の事業年度から基準年度までの1人あたり給与支給総額の伸びが物価上昇率(参考値:2025年の消費者物価指数は前年比3.2%)を上回らない計画は、審査で大幅に不利になると明記されています。この賃上げ目標は、交付決定までに従業員へ表明する必要があります。
  4. 顧客と「選ばれる理由」の明確さ:新しい製品・サービスの価値、狙う顧客、ニーズの裏付け、選ばれる理由が整理されているか。
  5. 実行体制と資金:事業を進める人材・体制があり、第三者に頼りすぎていないか。財務状況や、金融機関からの資金調達の見込みは十分か。
  6. 加点項目:「パートナーシップ構築宣言」の公表(2026年1月1日更新のひな形を使ったもの)、「くるみん」認定、「えるぼし」認定などで加点。申請締切の時点で満たしている必要があります。

出典:第2回公募要領「3. 審査項目」

申請で失敗しやすいポイント

  • 今の事業の延長になっている:増産、作り方の変更、メニューの追加、商圏を広げるだけなどは、新事業進出枠の対象になりません。
  • 申請書を外部に丸投げしている:事業計画は必ず申請者自身で作る必要があり、作成を他人に任せたことが分かると不採択・採択取消になります。外部の支援を受ける場合は、支援者名・支援内容・報酬額などの記載が必要です。
  • 取得した設備を既存事業にも使う:補助金で買った設備は、原則として計画した新しい事業にだけ使う必要があります。既存事業に使うと、補助金の返納を求められることがあります。
  • グループ会社で別々に申請する:親会社と子会社など「みなし同一事業者」は、1回の公募で1申請までです。複数社が申請すると、申請した全社が要件を満たさないものとして扱われます。
  • 賃上げ目標を軽く考える:給与や最低賃金の目標に届かないと、補助金の返還を求められます。

よくある質問

不採択だった場合、もう一度申請できますか?

はい。事業計画を見直したうえで、再度申請できます。また、一定の条件を満たせば、すでに採択・交付決定を受けた事業者も2回目の申請が可能です。

申請書の作成を専門家に頼んでもいいですか?

認定支援機関などから助言を受けることはできますが、事業計画は申請者自身が作る必要があります。支援を受けた場合は、支援者名・支援内容・報酬額・契約期間を申請時に記載します。高額な成功報酬を求める業者には注意するよう、公募要領でも呼びかけられています。

申請した金額がそのまま受け取れますか?

採択は、すべての経費・金額の交付を約束するものではありません。採択後の交付申請で経費が精査され、減額や対象外になる場合があります。

複数の事業を計画している場合は?

1回の公募で申請できるのは1件ですが、1つの事業計画書に複数の事業の内容を書いて申請することはできます。

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※本ページは、第2回公募要領(2026年11月2日 初版)と公式サイトの情報をもとに、日本補助金協会 編集部がまとめたものです。申請の際は、必ず最新の公募要領をご確認ください。